<ひょうごSDGs PROJECT 2025>(2)大和ハウス工業 簡便なラン栽培法開発
三木市志染町青山にある「ココランハウス」では、一年を通じ赤や白、ピンクなど色とりどりのミニ胡蝶蘭(こちょうらん)(ココラン)が栽培されている。施設内は段差をなくすほか、直感的に理解しやすいオリジナルのピクトグラム(絵文字)を採用するなど、だれもが働きやすい環境を整備。障害者が栽培から出荷前の装飾までを主に担っており、年間約2万株を市場に送り出している。
大和ハウス工業では、建物竣工(しゅんこう)時などに花を贈る機会が多いことから、ミニ胡蝶蘭栽培の研究に取り組み始め、2018年7月、開花に成功。20年9月、同社が1970年ごろから開発を進めてきた郊外型住宅団地、緑が丘・青山ネオポリス内の社有地に「ココランハウス」を完成させ、本格的に栽培を開始した。
当初、地域の高齢者をパート従業員として採用し、作業を担ってもらっていたが、併せて障害者の雇用を視野に入れ、水やりや太陽光の当て方などに高い熟練度が必要だった栽培法を簡便化する研究を進めた。そして2021年12月、多段式ラック(棚)に株を並べ、発光ダイオード(LED)で最適に光量を調整し、底面潅水(かんすい)により水やりの手間を簡素化した独自の栽培法を開発。「簡便で効率的なやさしい農業を実現し、働きやすい環境が整った」とまちづくり統括部栽培事業開発グループ・グループ長の正田克成さん。そして特例子会社大和ハウスブルームを設立し、障害者を正社員として迎え入れた。
現在、同社には障害者の正社員7人、大和ハウス工業からの出向者4人、地域のパート従業員17人が在籍。障害者は20代前半と若く、花の向きの調整、温度管理、施肥、潅水、装飾などの作業に当たっている。
緑が丘ネオポリスは、約6千区画に1万4千人が住む大規模な郊外型住宅団地。開発から50年余りが経過し、高齢化や人口減などによって、コミュニティーの希薄化や空き家の増加など社会課題が顕在化している。大和ハウス工業では、15年から持続可能なまちづくりを進めるための活動を開始しており、「ココランハウス」もその取り組みの一環である。
